チョコレート依存(幸せ)
バレンタインの季節になると、まちもテレビもチョコレート三昧になり、もともと大好きなものだから完全に流されて日々チョコレートを食べ、日々チョコレートに散財する。
貧血人間はカフェイン控えめに生きねば、とコーヒーも紅茶も一日一杯程度に控えてはいるものの(飲みすぎると頭痛がして肩こりから腰痛へと進行し、最終的に足がつる)、チョコレートは!衝動が起こると耐えられない。
百貨店の高級チョコレート一粒200円でも量販店の袋入りでも板チョコでも、何でもいい!
手に入るチョコレートならば。
それがチョコレートであるならば。
カカオ72%くらいのを大人らしく食べたい気もしないでもないけれども、甘い!とける!この世の夢のようなチョコレートがとにかく食べたい。
なんなら口の中に常にチョコレートが入っている状態をキープしたい。
しかし悲しいかなチョコレートはすぐに溶ける。
お口でも手でもしかるべき温度と時間ですぐ溶ける。
だから急いで次から次へと食べねばならない。
クリスマスデザインのキスチョコが季節はずれの柄ただそれだけのために悪魔的に安く売っていて、迷わず買って仕事場の引き出し一つキスチョコでいっぱいにして、暇さえあれば引き出しを開けて食べてしまうので、さすがに、と思い引き出しに鍵を掛ける。
しかし自分でかけた鍵は自分で容易に開けられる。
鍵を開けるのももどかしい。
引き出しを開けるのももどかしい。
なんなら銀紙を剥くのももどかしい。
もうつかめるだけつかんで口の中に入れて、あとから銀紙だけ取り出したい。
とりつかれている。太る。
とはいえ例年のことなので、まちやテレビがバレンタインじゃチョコレートじゃ言わなくなれば、この病は治まる。
ので、本能にあらがうのをやめて、チョコレートに耽溺する。
頭痛と鼻血が出るまでは。
さすがにそこまで行くと完全に治まる。
そしてホワイトデーのあたりに再発する。